スイスエアラインはスイス最大の航空会社。チューリッヒとジュネーブからグローバルなフライトのネットワークを運営しています。現在はルフトハンザの傘下で、世界最大の航空会社提携グループ、スターアライアンスメンバーです。
今回の旅はマイレージでの発券となりましたがウクライナ戦争の影響でANAもJALも一時的に直行便を停止していましたのでヨーロッパへの路線はかなり限られていました。トップシーズンで、人気のチューリッヒ便ビジネスクラスの特典航空券がおさえられたのは奇跡的でした。
2022年5月時点の最新情報をお伝えしていきたいと思います。
チューリッヒ空港での詳しいラウンジ訪問記はこちらをご覧ください。
シャルル・ド・ゴール空港からチューリッヒ空港へ(EU域内便)
スイスエアラインを利用してフランスのシャルルドゴール空港から出発し、スイスのチューリッヒで降りて成田行き国際便に乗り換えます。
ユーロ圏内を行き来する飛行機の乗り継ぎビジネスクラスは日本で言う国内便と同様の扱いですが、前方の普通席を1席空けて割り当てられます。お隣は空席になります。
ミネラルウォーターのペットボトルとリフレッシュシートがそれぞれ配られます。
足元も日本の国内便エコノミーよりも若干ですが広い気がします。シートピッチは81.3センチ(前後間隔)、幅は43.9センチ。参考にJALやANAの普通席シートピッチは79センチ、座席幅は42〜45ということです。
有料のドリンクメニューもあります。
追加注文できるメニューのスナック類です。
シャルル・ド・ゴールからチューリッヒまで1時間17分の短い旅ですがビジネスクラスには食事が提供されます。
快適な空の旅の始まりです。
飛行時間が短いので、CAの方も少し慌てています。
忙しい中にも、温かいパンのおかわりまで聞いてもらえます。パンは食べ放題のようです。といっても一番後ろの席でしたので運んできてもらった頃には降下が始まります。
パンは硬めで微妙ではありましたが、それでも美味しくいただきました。ドリンクもシャンパーニュ、デュバル・ルロワ(Duval-Leroy)をいただきました。
真ん中の花びらのようにヒラヒラしたチーズはテット・ド・モワンヌと言ってスイスのベルレー修道院で誕生したといわれるチーズです。テットは「頭」モワンヌは「修道士」で、“修道士の頭”と言う意味の名前となります。農民が、修道士の数だけこのチーズを献納していたことに由来していると言われています。表面を塩水で洗いながら、エピセアというモミの木の一種から作った板の上で熟成させるそうで、なかなか癖が強く美味しいです。
ヨーロッパのスーパーでも売られているのですが高価なものなのでここで食べられて嬉しいです。
チョコレートも持ってきてくれたのですがCAさんと目が合うなり、こんなに沢山いただきました。チョコレート好きに見えたのでしょうか。
チューリッヒ空港での乗り換え
EU圏内での飛行機の乗り換えは本当にスムーズです。チューリッヒでの最低乗り継ぎ時間は45分です。コロナがなければもう少し短くても大丈夫だったのでしょうが、色々な書類のチェックが多いので、やはり早めの行動が肝心です。
乗り換え時間が少しありましたのでラウンジで一休みしてから向かいます。
待ち時間を過ごしていたラウンジの受付で搭乗ゲートに行くのは30分以上余裕を持って欲しいと言われましたので40分前にゲートへ向かいました。
搭乗ゲート前でパスポートと日本向けのPCR陰性証明の最終チェックがあります。
(シャルル・ド・ゴール空港のチェックインカウンターでもチェックがありましたが、乗り換え地の、ここチューリッヒでも必要でした。)
ビジネスクラス&ルフトハンザ上級会員のHONサークル(ダイヤモンド・エメラルド会員相当)・セネター(スターアライアンスゴールド相当/ワンワールド:サファイヤ相当)専用レーンがあります。
優先レーンは2レーンだったのが途中で担当の人が抜けてしまって1レーンになり、混み合っていましたが、それでも通常レーンよりは空いていました。
優先搭乗レーンもありましたが先程の最終チェックのスタンプなどで多少時間がかかります。
ここでマスクの着用もチェックされますのでお忘れなく。
日本への出発(LX160便)
搭乗機はボーイング777ー300ERです。
座席数340席・ファースト8席・ビジネス62席・プレミアムエコノミー24席・エコノミー226席となかなかな座席数の航空機です。(成田⇔チューリッヒ線のプレミアムエコノミーは2022年6月より導入されました。)
ビジネスクラスの座席について
ビジネスクラスは嬉しいことにファーストクラスとほぼ同等の全長約200センチのフルフラット装備。
1ー2ー2と2ー2ー1が交互に配列されているモジュール方式でプライベート感が満点です。
窓際のソロシートが通称王様席と言われるプライバシーシートで通常は有料での予約席です。
このプライバシーシートはビジネスクラスを予約しても通常は別途料金が必要ですが、ルフトハンザマイレージのHONサークル会員とセネター会員(ルフトハンザの上級会員)のみが、このプライバシーシートを空席があリの場合、無料で予約することができます。(スターアライアンスグループ上級会員は不可)さらにフライト直前まで座席予約可能。
一般客は、48時間前にネットでの座席予約を締め切られてしまいますが、当日窓口で空席があれば、無料で変更することが可能です。
その他スイスエアラインはエコノミー席も足元の広い席や窓際席を有料にて選ぶことが可能です。
シート幅約52センチ、シートピッチ全長約200センチ(ベッドにした場合)
1人席では無い場合、窓際2人席のアームレストは中心のみ、真ん中の2人席は両サイドに設置されています。
その分席の幅が広いので、窓際にこだわらない方は中央のシートがおすすめです。
ビジネスクラスの座席周辺設備
成田まで約13時間の旅になります。
ウェルカムシャンパンが運ばれて来ました。
銘柄はデュバル・ルロワ(Duval-Leroy)です。
160年の歴史を持ち一貫して家族経営続けているメゾン。輸出向けは少ないため、日本にはあまり流通していないようです。濃厚だけど後味はすっきり美味しいです。もともとクリーミィな泡のシャンパンですが、この時は泡が少なめに感じました。
それにしても旅行中は忙しく動いていたのでほっとして喉に染みわたりますね。
離陸準備に入ると容赦なく下げられてしまいますので早めに飲みきります。
2人席の間のパーテーションの上部に飲み物を置くことが出来ます。お水のボトルは座席にあらかじめ配置されています。
ヘッドフォンのコードはこのパーテーションのボードに挿して使用します。
左の銀の金具を押すと読書灯が光ります。
お隣が知らない人でもプライバシーが最大限守られる落ち着いた空間です。
下方には雑誌などを固定しておくバンドが設置されています。ノイズキャンセラ付きのこのヘッドフォンは耳が疲れません。
ハンガーには上着やカーディガンを掛ける事もできますし、CAの方に預けることも出来ます。
朝食のメニュー表も置かれています。朝食はCAさんが出発前に回収に来ますので、搭乗後に希望のメニューにチェックを入れて渡します。
卵料理のイングリッシュ・ブレックファーストも選べましたが、せっかくのスイスエアラインなのでチーズの盛り合わせがあるスイスブレックファーストをリクエストしました。
スイスに本拠地を置くブランド、ビクトリノックス。ナイフやトラベルギア、腕時計といった高品質な製品で有名です。スイスエアラインとのコラボポーチがもらえました。
ポーチの中には耳栓に歯ブラシにアイマスク、靴下が入っています。
16インチのワイド画面タッチパネル式ですので映画も観やすいです。
映画は90本以上、テレビ番組は170本以上視聴可能です。
この日は1本だけ、「ハウス・オブ・グッチ」を観ました。
また、あらかじめ好みの新聞や雑誌をオンラインで選んで出発前にスマートフォンやタブレット、ノートパソコンに、フライト出発日の5日前から旅行の終わりまでダウンロードしておくことが出来ます。30以上の言語にも対応しています(コードシェア便はのぞく)。
パーテーションの中にテーブルが折りたたまれています。悩むこと無く簡単に出し入れ出来ます。
収納がとにかくたくさんあるのは助かりますね。忘れ物をしないようにしないと。
足をいっぱいに伸ばしても余りあります。Bobbyも185センチありますが、ベッドにすると200センチありますので余裕です。
スリッパの大きさも申し分無しです。
背もたれはフルフラットになりますのでアームレストについているボタンで角度を調節出来ます。
アームレストのふたを開けるとシートクッションも操作できます。
シートクッションは好みの硬さに調節でき、マッサージモードにもセット出来ます。マッサージモードはそのままで寝てしまうと身体が痛くなってしまうのでお好みに応じてご利用下さい(笑)。
リモコンでモニターの操作ができます。映画などを観てゆっくりくつろげます。
靴が収納できます。離陸と着陸時は入れないようにとの注意書きがあります。離着陸時はもしものことも考えて靴は剥いていた方が良いかもしれません。
サイドの物入れです。離着陸時や飛行中、身の回りの細かいものを収納できます。この中でスマホの充電が出来るので安心ですね。
奥にはUSB と110ボルトのコンセントがあります。
日本製のものは大体100ボルトですので挿して利用することが可能です。
毛布は大判で軽いもので、二重にしてかけられます。
Wi-Fiは有料になりますが使えます。
料金表です。
20MBだと9CHF(スイスフラン)
50MBだと19CHF(スイスフラン)
120MBだと39CHF(スイスフラン)
220MBだと59CHF(スイスフラン)
※2022年7月現在、約140円はCHF(スイスフラン)です。
チューリッヒ空港離陸と夕食
ディナーまでしばし休憩、ソフトドリンクとおつまみが出ます。
食事はミシュラン2つ星を獲得しているルツェルン湖のほとりに建つスイスの美食トップにある「パークホテルフィッツナウ」のシェフ、パトリックマーラーによる創作監修のスイス伝統料理セレクションです。
さっそく仕事に取り掛かりたい人や休みたい人には前菜盛り合わせ、デザートのみの早出しオプションや(飛び立って安定すればすぐに出してくれます。)個別に注文することも可能です。
ワインリストです。
シャンパンと白2種。赤は3種でした。
シャンパンはウェルカムドリンクでいただいた、デュバル・ルロワ(Duval-Leroy)
ワインは残念ながらあまり詳しくないので銘柄だけお伝えしておきます。
せっかくスイスエアラインに搭乗しているのでスイスの白ワイン「ヨハネスブルグ・ド・シャモソ」を注文しました。他1種はイタリアの白ワイン、「メラッチェ モンテクッコ ヴェルメンティーノ2020 カステッロコッレ マッサーリ」
赤ワインはスイス、リュアンのワイン造りの歴史があるヴォー州ラ・コート地区のものでピノ・ノワール2020・2021のグランクリュを注文。他2種はイタリア赤のボルゲリ2019、フランス赤のシャトーポワトヴァン2016。
HILTL(ヒルトゥル)とは1898年にオープンしたヨーロッパでもっとも由緒あるベジタリアンレストラン。ガイドブックではどこでも紹介されるというチューリッヒ人気のレストランだそうです。
その代名詞とも言える料理であるヒルトゥルタルタル、全粒穀物のマスタードクリームと野菜の酢漬け。
ベジタリアンではもちろん無いのですが珍しいのでオーダーしてみました。
お肉を食べない人にとってはこれも面白い味なのかも、サーモンタルタルの方が正解だったかなと思いました。
スイス、リュアンのワイナリー、ドメーヌ・ド・サローデッソスのピノ・ノワールです。渋みがあり、パンチのあるお肉料理には合いました。
もちろんソフトドリンクも多種あり。
もう1品の前菜はサーモンマリネとハーブエマルジョンソース、キュウリのポン酢ヴィネグレットソースにグレープフルーツとラディッシュ添え。あっさりと脂身の少ないサーモンでこれは美味しかったです。
牛肉のテンダーロイン粒胡椒ソース、マウンテンチーズとベイクドマッシュポテト、スナップえんどうとミニキャロット。
マウンテンチーズとはネパールの伝統的な保存食であるヤクミルクと牛乳をブレンドして作られたハードチーズ。濃縮された旨味と香り、噛みしめるほどに旨味が香る癖になる味です。ヤクって宮崎駿アニメに出てくるけど実在なんですね。このチーズは初めて食べました。
このお肉は部位によるのかなかなか噛み切るのに顎の力が要りました(笑)。パンも硬かったのでチーズだけ食べました。
このケーキが私だけなかなか来なかったのでリクエストしました。ビジネスクラスは凄く空いていたのですが食べるのが遅かったのか忘れられてしまったようです。
デザートは、ヘイゼルナッツとスーパーフルーツと言われているシーバックソーン(グミ科)と大好きなホワイトヌガー(卵白のお菓子)のムース。
飲み物はホットミルクをリクエスト。
さらに食後のコーヒーです。
ギャレーのそばに機内キオスクが準備されていて小腹が空いた時にいつでも飲み物とスナックをいただけます。
映画を観ているとマンゴーアイスクリーム、フルーツやお菓子、飲み物を持ってきてくれます。いたれり尽くせりでした。
映画も観終わり、一休みして起きたら早くも朝ごはんの時間です。
顔を洗います。ラバトリーにはリフレッシュシートも沢山おいてくれてありますし、モイスチャークリームなどもあります。
ビジネスクラスの朝食
リクエストしておいた朝食のデニッシュとスムージー、まもなく帰国なので海外の美味しいホットチョコレートも飲みおさめです。
こちらはスイスブレックファーストのクロワッサンバージョンです。
結びに
今回スイスエアラインには初めてチケットを取ることが出来て、楽しみにしていた搭乗でした。欧州系のビジネスクラスは食事が美味しいので期待していたのですが多大な期待は良くないかとも思いました。
つい最近はコロナ渦にリストラしすぎた航空業界の人員が足りなくてヒースローでストが起きているニュースがありましたし、コロナ明けでクルーのの士気が落ちているのかなと思わせるところがありました。(たまたまかもしれません。)
ただ、この世情にあって日本便を就航して下さっているスイスエアラインには感謝の気持ちでいっぱいです。
設備や座席シートに関しては最新で驚くほど使いやすいものが導入されており、13時間の長旅も苦にならず快適に過ごすことが出来ました。日本に到着してからの疲れもほとんど感じずビジネスクラスの利点をあらためて実感しました。
いずれにしろヨーロッパは完全にアフターコロナの世界です。空港ラウンジも賑やかに人で溢れかえっていましたし、今後はコロナ収束と共に日本の水際対策も緩和され、ヨーロッパのように日本人も、もっと海外に出やすくなるでしょう。航空会社のサービスもさらにブラッシュアップされていくと思いますので楽しみです。
機会があればまた色々な航空会社を利用していきたいと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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