ハニファルベイ@モルディブのぐるぐるマンタ・ジンベイツアー

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真っ青なハニファルベイの海域に4、5メートルを越えるマンタの群れ

モルディブのハニファルベイ(Hanifaru Bay)は世界有数のマンタスポット

世界中のダイバー達の憧れであるマンタ。世界最大のエイの仲間です。

息をのむほどのマンタの大群に出会える、夢のような場所がモルディブにあります。

北マーレ環礁の北東、バア環礁にある「ハニファル・ベイ(Hanifaru Bay)」です。この別世界のような素晴らしい光景に出会うための方法と体験をつづります。

ハニファルベイのぐるぐるマンタ

大きく口を開けてプランクトンを吸い込むマンタの大群

南西モンスーンの影響でハニファルベイには大量のプランクトンが集まってきます。この栄養豊富な海域にマンタの大群が集まります。雨期限定(5月〜11月)で、運が良ければ100以上のマンタが海中をぐるぐると乱舞する姿を見ることができます。

エイの一種であるマンタには種類があることが分かっており、ナンヨウマンタは、最大で5m程、外洋性のオニイトマキエイは、最大で7mにも達するそうです。

ハニファルベイにはジンベイザメも現れる

またマンタだけでなく、同じくダイバーの憧れで世界最大の魚類であるジンベイザメ(体長約10〜12m)も、豊富なプランクトンを求めてこの海域に現れます。ジンベイザメはプランクトンを食べる温厚な魚ですがサメの仲間です。

希少な絶滅危惧種であり、IUCN(国際自然保護連合)では、レッドリストに登録され、2002年のCITES(通称ワシントン条約)にも掲載されています。

モルディブのバア環礁はUNESCOの自然保護地域

ハニファルベイのあるモルディブのバア環礁は2011年、UNESCOの「World Biosphere Reserve」に登録されています。これは生物圏保存地域という意味で、“人間と生物圏計画”が設定する自然保護地域となっています。

ヒレを大きく広げて泳ぐマンタ

ハニファルベイへのアクセス

ハニファルベイに行くには現在、大きく分けて2通りの方法があります。

  • 近郊のバア環礁にあるリゾートホテルに宿泊し認定を受けて開催されているツアーに参加する。Dream Land(ドリームランド),Reethi Beach Resort(リーティービーチリゾート),Dusit Thani Maldives(デュシタニ モルディブ),MALDIVES AT LANDAA GIRAAVARU(フォーシーズンズ モルディブ ランダーギラーヴァル)など。
  • マーレから国内線またはボートでも行くことのできるローカル島「ダラバンドゥ」を拠点とし、該当のツアーに参加する。

今回マンタツアーに参加し、宿泊したドリームランドモルディブリゾートの設備やアメニティの詳しい宿泊記はこちらのブログをご覧ください。

ドリームランドモルディブリゾートのレストランと食事のブログはこちらをご覧ください。

ハニファルベイでのダイビングは可能?

UNESCOの世界遺産に登録されて以後、2012年より自然保護の観点からハニファルベイでのスキューバーダイビングは禁止されています。

マンタ シュノーケリングツアー

現在は認定されたシュノーケリングツアーに参加することのみがハニファルベイにアクセスできる唯一の方法となっています。

とはいえ、天候や海の状態によって毎回確実にマンタさん達が見られるとは限らないのが自然の難しいところ。出会えるかどうかは運に左右されるところが大きいです。

平均的なシュノーケル・ツアー料金

※近郊のDusit Thani Maldives(デュシタニ モルディブ)やMALDIVES AT LANDAA GIRAAVARU(フォーシーズンズ モルディブ ランダーギラーヴァル)のような高級ホテルでは現地からハニファルベイの情報を監視員やドローンなどでチェックして、マンタが出現したら知らせてもらい、即出発出来るという嬉しいサービスがあるようですが、高級ホテルになるほど当然ツアー料金も高くなります。

【参考料金】ディシュタニ ハニファルベイツアー料金190$(サービス料別)

Ettyyが宿泊した4ツ星ホテル、Dream Land(ドリームランド)のマンタツアー料金は$95に10%サービス料・税金12%($117)でしたので5ツ星ホテルとは倍額近くの違いになりますね。(2022年9月現在)

滞在費とツアー料金を安く済ませる方法

さらにツアー代金を安く済ませる方法としては、滞在費の高いリゾート島ではなく、国内線が就航しているローカル島、「ダラバンドゥ」の安いホテルやゲストハウスに滞在しつつ、マンタツアーに参加するという方法です。(滞在費を抑えて確実にマンタを狙いたい人向き。)

雨季のモルディブのメリット・デメリット

このぐるぐるマンタの大行列が見られるのは雨期限定(5月〜11月)です。オフシーズンで、旅費も安い時期となりますのでシュノーケル好きにはたまらない最大のメリットかと思います。

デメリットと言えば、やはり雨期は天候が不安定なので天候不良で船が出せないなど、最悪はツアー中止になったり、予定がずれ込む可能性があります。

とはいえ、Ettyyは降水量が多いと言われている9月の旅程でしたが雨は一時的に降っても全日降り続くことは無く、日程のほとんどは晴天に恵まれました。

実際、雨季にもかかわらず、宿泊したバア環礁の「ドリームランド」の水上コテージは2ヶ月先まで満室で、日程を調整した結果なんとか1室おさえることが出来たほどの人気ぶりでした。

海の透明度

マンタが現れる海は暖かくプランクトンが多いので、たいていの場合、透明度はよくありません。

この日の透明度は10m前後というところでしょうか。

海中でぐるぐるとまわるマンタ

事前準備 【ツアー参加までの流れ】

開催予定のツアー日程をなるべく早く確認し、ダイブショップで参加の申込みをしておきます。

定員がありますのでせっかく遠くまでやって来ても満員で参加出来ないとなると困ります。

宿泊したドリームランドの場合はフロント前やレストラン入口にツアーの予定を貼り出してありました。

フロントに張り出してあるマンタシュノーケルツアーの時間

当日は朝食を軽く済ませ、水着を着用、酔い止めの薬を飲んで、集合時間である7時50分にダイビングショップ「Joy Dive」のコテージへと向かいました。

スピードボートに乗っている時間は15分と長くはありませんでしたが船酔いするとせっかくのツアーも台無しです。よほど慣れた方以外はボートに乗り込む30分前には酔い止め薬を飲んでおくことをおすすめします。

また、酔い止め薬は波の高い場合のシュノーケルにも有効です。

ドリームランドホテルの中にあるJoy Diveのコテージ。

装備・服装

フィン、マスク、シュノーケルは持参するか、ショップでレンタルします。

ツアー代金とは別でレンタル料金がかかります。

ドリームランドのオールインクルーシブプランでは3点セットが無料貸し出しでした。ただ、ホテルの無料貸し出しのものは、マスクがしっくりこなかったり、シュノーケルが壊れたものもあり、交換する手間もありますので自分にあったものがあれば持参するのが得策だなと感じました。

シュノーケリングが旅のメインではなく、持っていくには荷物も気になるという方は有料でのレンタルもありだと思います。ドリームランドでは以下のような料金でした。

【Joy Dive 】グッズレンタル料金1日1週間
シュノーケルセット(マスク・シュノーケル・フィン)$10$50
マスク$5$25
シュノーケル$2$10
フィン$7$35
ウェットスーツ(ショート)$10$50
ライフベスト$10$50

日焼け防止と、長く水の中にいると体が冷えるのでEttyyは長袖のラッシュガードを着ていました。
(さらに下半身の冷え防止にトレンカを履くと良いかも。)

泳いでいる間の服装は人によりまちまちですが、半袖のウェットスーツ(スプリング)もいて、欧米女性はビキニ姿で泳いでいる人が多かったです。(さすがです。)

写真映え的にはビキニが良いかもしれませんが、海の中は色々な生物がいて体を刺されて赤く腫れることもありますのであまりおすすめではありません。

グループの数人が刺されていましたのでショップのスタッフにお酢をもらって消毒していました。(クラゲなのか何なのかは分かりませんでした。)

長く泳ぐのでフィンソックスを持っていくとフィンによる靴ずれも防止出来ます。レンタル器材の場合は微妙にフィンが合わない場合もありますし、軽いので荷物にもなりませんからぜひ一足持って行かれることをおすすめします。

ボートの船上ではTシャツや、軽いはおり物を身につけている人が多かったです。

海から上がると少し寒く感じるかもしれませんのでホテルのビーチ用タオルを持っていくと便利です。

海の上に建つDive Centerの事務所

注意事項

ツアーへの参加は基本泳げることが前提です。ライフジャケット着用は義務ではありません。(このあたり、日本とは大きな違い。)
泳ぎに自信がない場合は部屋にあるライフジャケットを持参・着用します。

自分で空気を入れることの出来る軽いライフベストは全員に貸し出してもらえました。

海外のツアーは日本のようにいたれり尽くせりではありません。

基本はすべて自己責任ですので必要なものは自身で準備して、自分の身は自分で守る姿勢が大切です。

禁止事項

ブリーフィング(事前説明)では以下の説明がありました。

  • マンタには絶対に触らないこと。もし指一本でも触れることがあったなら、すぐに送り返された上に$600の罰金となる。(マンタからぶつかられた場合はその限りではありません。)
  • 体は縦にバタ足しないように、潜るときは水面に戻る際、人やマンタにぶつからないように上をよく見ること。
  • フラッシュ撮影や長い棒を用いた撮影は禁止。(自撮り棒は、伸ばさなければOKでした)
  • マンタはとても繊細な生き物なのでなるべく静かに刺激しないようにすること。

いざ乗船し出発

マンターツアーに参加するお客さん達

本日ツアーの参加者は16人。日本人は他にいません。このホテルに宿泊している東洋人はEttyy達のみです。

仲良くなったドイツ人のご夫婦は、今までの参加者に話を聞いたところあまり見れなかったらしいからどうかなあと言っていました。

ブリーフィングの後、ボートに乗り込み出発進行です。

15分程度でハニファルベイの近郊に到着します。

マンタツアーのスピードボートと梶を取るキャプテン

マンタの遭遇率は最近では五分五分。ガイドさんは、最大限の努力はすると言っていました。

ハニファルベイのマンタスポットは、周遊ポイントとクリーニングポイントの2つがあるとのこと。

ボートからみた海の景色

スピードボートで気持ちの良い風を受けながら進みます。

ボートから見た小島

マンタポイントへ

程なく到着しました。

装備を身に着けてさっそく海へと入ります。後を待たず向かうという指示だったので海に飛び込むとすぐにガイドの後を追いかけてポイントまで泳ぎます。ガイドさんはものすごいスピードでグイグイ進んで行きます。

この後、なんとジンベイザメも出現しましたので追いかけていくにはかなりの体力を要します。

疲れたらガイドが持っている浮き輪につかまり、休むことも出来ます。

マンタ達の饗宴

本当に出会えるのか、不安の中、現れました!

大口をあけてプランクトンを吸い込むマンタの大群

しかもものすごい数のマンタです。体長は4,5メートルはあるでしょうか。

マンタの大名行列です。回転して大きな口を開けたっぷりのプランクトンをお腹に取り入れています。

ものすごい数のマンタがぐるぐると万華鏡のように回転しています。

マンタの行列 マンタの宙返り

まるで野鳥の会のようです。

万華鏡のようにぐるぐるとまわるマンタの群れ

列をなして行進しているマンタもいます。

わさわさとおおきなヒレを広げて大空、いや大海原を優雅に遊泳しています。

マンタ達は呼吸するためエラに水を流し続けなければならないため、動きを止めることは出来ないそうです。

次々と泳いでくるマンタ

大きな口の奥からお腹の中まで丸見えで不思議な感じです。

こんなに間近で見たのは初めてです。お腹の黒い斑点やしっぽの先までみることが出来ます。こうしてみるとマンタの模様も個体によって色々な特徴があるのだなあと見て取れます。

お腹を見せたり大きく口を開けているマンタ

マンタが向かってきます。目の前でバク宙するものもあります。触ったら罰金なのでぶつからないで〜、せまってこないでえ〜、と祈るほどでした(笑)。人間をまったく気にしていない感じで、認めてもらえた様で少し嬉しいです。

こちらへ向かってくるマンタ

ジンベイザメ現る!

マンタ達に見とれていると、ガイドさんから「Whale shark!!(ジンベイザメ)」の声が響きました!!

一同がいちもくさんに示された方角へ泳ぎ出します。他のグループも沢山一緒になり、途中はぐれそうになりましたが、何とか自分のグループと合流できました。

ジンベイザメ、写真では優雅にゆったりと泳いでるように見えますが、めちゃくちゃスピードが速いのです。追いつくことはなかなか大変です。久々に全力でエンジン加速して泳ぎました。

幸運なことに、このジンベイザメ、エリアにしばらく周遊してプランクトンを捕食しているようで、何度か出会うことが出来ました。

巨大なジンベイザメの頭

Ettyyはセブ島のオスロブでの餌付けされたジンベイザメしか見たことがありませんでしたので、野生(?)のジンベイザメがこんなに速いとは思いませんでした。サメなのですから当然とも言えますね。

悠々と泳いでいくジンベイザメ

マンタの大群だけでなく、ジンベイザメにも出会えるなんて、何というラッキーでしょう、専門のツアーに参加すれば$250くらい?なんて考えながら夢中で追いかけました。

青い海を泳ぐジンベイザメの全体像

動画はこちらから

万華鏡のようなぐるぐるマンタの群れとジンベイザメの共演です。

マンタツアーを終えて

遊泳時間は45分と決められておりますが、ツアーを通してマンタやジンベイザメが見られた濃密な時間は無事終了しました。

ちなみにツアー代金にはサービス料が含まれていましたので終了後、他の国のリゾートのようにチップ箱がまわってくるようなことはありませんし、個別にチップは必要ありませんでした。(これだけ沢山のマンタを見せてもらえたらチップをはずんだ方が良かったのかなと思いつつでしたが・・・。)

翌日、ショップに行くと遭遇したマンタの数が貼り出されていて、確認することが出来ました。小魚に体をお掃除してもらいに来ているのか、食事に来ているのか、遊泳しているのかといったマンタの行動も記してあります。

参加した9月19日はシュノーケリングで100枚越え、さらにジンベイザメ1頭とあります。現れなかった日程もある中、今月最大のラッキーデイに当たったようです。

その2日後の21日には、申込者が増えたため、2艘のボートでマンタツアーが組まれたようです。その日は30枚と、やはりジンベイザメが1頭出現したことが分かります。マンタ達はしばらく海域にとどまるのですね。

この日はEttyy達も、もう一度参加すべきだよとガイドにお勧めされたのですが、充分満喫出来ましたし、他のシュノーケルツアーに申し込んでいたこともあり参加しませんでした。

結びに

100枚以上に及ぶマンタの群れ、さらにはレアな大物のジンベイザメまで見ることが出来たのは大きな幸運でした。

特にマンタを沢山見られる可能性が高いのは夏季の7月から10月初旬です。

マンタの行動範囲は水深12m程。ダイビングは出来なくとも海面近くまで上がってきてくれますのでかなりの至近距離で鑑賞することが出来ます。

プランクトンが漂っているので視界が良くない上、なにぶん海の中ですので、すべてをファインダーに収めることは難しいですが、少しでもこの迫力を感じていただければ嬉しいです。

雨季のモルディブ、マンタの楽園のようなハニファルベイを訪ねてみるのはいかがでしょうか。忘れられない思い出になることは間違いありません。

最後までご覧頂きありがとうございました。

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