冬の沖縄旅・世界文化遺産『琉球王国のグスク』座喜味城跡

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座喜味城跡のアーチ型石門

座喜味城跡

座喜味城跡は、首里城をはじめとする全9名所からなる『琉球王国のグスク及び関連遺産群』として、2000年12月にユネスコの世界文化遺産に登録されました。

今回私たちが訪れた、座喜味城跡は那覇空港から30キロ程北の読谷村に位置しています。

世界文化遺産『琉球王国のグスク及び関連遺産群』の一つである首里城はその独特の建築様式が名高いですが(残念ながら正殿は2019年に火災により焼失。)、座喜味城は現存していないものの、美しく精巧に積まれた城壁が残されています。その素晴らしい城壁の石組みと緻密な建築技術をお伝えしたいと思います。

アクセス

バスを利用する場合(那覇空港より)

那覇空港からゆいレールで旭橋駅下車

目の前が那覇バスターミナルです。

【沖縄バス・琉球バス】

・読谷線29(喜名経由)座喜味バス停・上地バス停より徒歩約10分
・読谷線28番(楚辺経由) 高志保入口バス停より徒歩約20分

※バスはそれぞれ本数が多くありませんので時刻表をチェックしておかれるのをおすすめします。

那覇バスターミナルからの時刻表はこちら

なお北谷からですと、砂辺駐機場から62番でもう少しバスの本数もあるようです。(バス停地図はこちら

車・タクシーを利用する場合

那覇から国道58号線で浦添・北谷を経由し、喜名交差点から約5分
駐車場あり(無料)

座喜味城の歴史と見どころ

座喜味城は15世紀前半に当時の琉球王国に対抗する勢力を監視する目的で建てられました。

もともとこの城の北東4kmに位置する山田城の城主護佐丸が山田城を取り壊してその石材である琉球石灰岩を運ばせて作らせたと言われています。

建築家としても名高い護佐丸が当時最高峰の技術を結集して建築したと思われます。

1956琉球政府の重要文化財に指定され、返還後の1972年には国指定史跡ともなっています。

城郭の外周は365m、城郭内面積は7383㎡と沖縄のグスクとしては中規模の面積。

座喜味城の構造

軍事要塞に特化した城で琉球王国時代、攻めてくる敵に対抗できるように緻密に計算されて造られている城壁のうねりが見所です。

さらに城は粘土質の赤土の上に築かれていたので、弱い地質を補って崩れにくい構造にするための工夫でもありました。

石垣

主に、石を多角形に加工し互いにかみ合わせて積み上げた『相方積み』と、日本の建城様式に見られる、真四角に加工した石を一段ごとに高さを揃えてブロック状に積み上げる『布積み』という技法で建造されています。

一部、自然石をそのまま積み上げた『野面積み』(ノヅラヅミ)という手法も使われています。

相方積みは設置面が多くなるので一番強度が強く耐久性に富んでいます。

布積みは大きな石を組んでいくことで強度が増していきます。

野面積みは石と石との隙間が大きく水はけが良くなります。

この石積みの美しさをじっくりと眺めるのも座喜味城跡の魅力です。

ユンタンザミュージアム

城跡にはユンタンザミュージアムが併設されています。資料館には工芸品、絵画などが展示されていて読谷村の歴史を学べます。

城跡自体には入場料がありませんのでいつでも見学することが出来ます。

>>ユンタンザミュージアム公式ホームページ

所在地

 沖縄県中頭郡読谷村字座喜味708番地6 

TEL:098-958-3141

読谷村の観光総合案内の看板

いざ座喜味城跡へ

世界遺産の石標があります。

九箇所全てが記してあります。

琉球王国のグスク及び関連遺産群の石標

石碑の横にある階段を登っていきます。

座喜味城跡の石碑

駐車場から3~4分、琉球松の並木を通り抜け、緩やかな坂の小道を登った先に整然と積まれた美しい城壁とアーチ型の石門が見えてきました。

座喜味城跡 入り口 全体像

沖縄に現存する最古のアーチ門で、強度を高めるために中央部にはクサビが打ち込まれています。

このクサビは座喜味城跡独自のもので建築技術の高さがうかがえます。

一つ目の門を通り抜けた二の郭、さらにその奥の一の郭からなっています。

座喜味城跡の城壁とアーチ型の城門へ続く階段

城門を抜けて二の郭の広場へと入ります。

座喜味城跡の中とうねった城壁

城壁は高いところで約13メートル、低いところで約3メートル。

中ほどに一の郭へと向かう城門があります。

城壁と一の郭へと続く階段

緻密に組み上げられた石垣は見れば見るほど美しい流線型。

美しい曲線を描く二の郭石垣と琉球松

人間との対比です。壮大です。

太平洋戦争中、この階段を含めた城壁が一部破壊されてしまいました。

米軍がレーダー基地として利用していましたが、沖縄返還後に発掘調査と修復が進められました。

座喜味城跡の城壁とアーチ型の城門

一の郭へと入ります。階段から城壁へと上がることが出来ます。

がっしりと城壁の幅に厚みがあるので二人でも余裕で城壁の上に立つことが出来ます。

直接登れるのはここと中城城の一部だけなんですって。

西海岸を見渡せる標高125メートルの丘上に建てられているそうです。

那覇市、残波岬、恩納村の海岸、晴れていれば慶良間まで見渡すことが出来ます。

360度パノラマビューで素晴らしいのですが写真で全てを表すのは難しいです・・。

城壁の上から見下ろした海と街の景色

東側の景色。

東側の景色

一の郭を見下ろしてみます。

一部の建物の礎石が残っています。

上から見るとその広さが分かりますね。

発掘調査によると間口約16m、奥行約14mの建物跡。

瓦が出て来なかったので板葺きか茅葺きの建物と推測されるそうです。

また南側の城壁からは柱穴が見つかっています。

建物跡である礎石

と、ここで通行止めになっていて一周することはできません。

『いっちぇ〜ならんど〜』と書いてある木の看板

夕方に訪れれば、東シナ海に沈む美しい夕日が見られることでしょう。

東シナ海を望む景色

高い位置から先程くぐってきた城門を見下ろすことが出来ます。

城の中には奥へ導かれるような通路があり、そこを進むと行き止まりになる『武者隠し』と呼ばれるトラップがあります。

高く大きくせり出た城壁は身を乗り出さなくても下の様子が見えて多方向の攻撃にも有利だそうです。

迷い込んだ敵を追い詰めて捕らえたのでしょうか。

ここにどのようなお城が建っていたのか想像を膨らませながら深呼吸をひとつして、琉球王国時代にタイムトリップしたような不思議な気分のまま城壁を後にしました。

座喜味城跡の城壁から一の郭内側を見下ろす景色

まとめ

冬の沖縄旅行は海のアクティビティは限られますが、観光客も比較的少ないの落ち着いて写真撮影や観光をすることが出来るのが良い点です。

残念ながら『琉球王国のグスク及び関連遺産群』として世界遺産に登録された首里城は2019年、火災により正殿を含む建物9棟が焼損してしまいました。正殿、そしてその他の建造物復元を目指して自治体や地元財団の方々、近隣住民の方々が日夜努力されています。

座喜味城跡をはじめ、沖縄にはこういった歴史ある素晴らしい史跡・名勝をいくつも見ることが出来ます。

沖縄の冬は気温が15度〜20度前後と過ごしやすく、シーズンオフなので落ち着いて観光できるチャンスです。

悠久の時間に思いを馳せながらの史跡巡りはいかがでしょうか。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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